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2016年4月例会

2016年4月例会

「地方利益」論の現在

 

日本近代史研究において、「地方利益」に関する研究は膨大な蓄積がある。

三谷太一郎や有泉貞夫らの古典的な研究は、現在に至るまで大きな影響力を及ぼし続けている一方、戦後の自民党政治のなかで顕著であった利益誘導型政治を日本近代史に投影させるなど、時代の要請とも無縁ではなかった。三谷や有泉の研究の批判的継承に基づき、その後の「地方利益」に関する研究は分析対象や方法論の点で多様化するとともに、数多くの業績が出されることになった。

現時点において、日本近代史研究における「地方利益」論の現状と課題を確認しておくことは、研究史上のみならず、「地方創生」といった政治スローガンが叫ばれる現代日本の政治と地域・社会との関係を考えるうえで、有効な論点を提示できるものと考える。よって本例会では、「地方利益」論研究の論点整理を試み、今後の研究展望を議論したい。

 

日時:4月23日(土)14:00~19:00
場所:機関紙会館5F大会議室
報告:松本洋幸氏(大正大学)「近代水道の敷設をめぐる政治史」

  稲吉晃氏(新潟大学)「大阪築港の政治史的考察―第一次築港の着手と中断―」

コメント:松下孝昭氏(神戸女子大学)