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第9回「歴史から現在を考える集い」(2/29)延期のお知らせ

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第9回「歴史から現在を考える集い」(2/29)延期のお知らせ

2月29日(土)に開催を予定しておりました第9回「歴史から現在を考える集い」ですが、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、延期することといたしました。新たな日時・場所につきましては、改めて当会ホームページおよびツイッターなどでご案内させていただきます。何卒ご了承いただければ幸いです。

日本史研究690号(2020年2月)

日本史研究690号(2020年2月) published on


2019年度日本史研究会大会特集号
大会テーマ 「支配」と「社会」から考える日本史研究の新展開

大会テーマ説明 研究委員会

共同研究報告
古代史部会

文書からみた10世紀外交姿勢の位置 堀井佳代子
コメント 榎本 渉

中世史部会

13・14世紀の流通構造と商業 伊藤啓介

近世史部会

幕府寺社奉行の成立と寺院政策の展開 林 晃弘
『寛永諸家系図伝』の編纂と武家の歴史 平野仁也

近現代史部会

民衆運動と近代社会
  ―1890年の高岡市周辺地域における米騒動を中心に―
大川 啓
近代東京における職業紹介所と「労働市場」をめぐる人々
  ―第一次世界大戦後から関東大震災までを中心に―
町田祐一


総会ニュース


部会紹介


アピール

表現・言論・学問の自由を擁護し、歴史修正主義・排外主義に反対する大会アピール


部会・委員会ニュース

 

「あいちトリエンナーレ2019」への補助金「不交付」決定に対する要望書

「あいちトリエンナーレ2019」への補助金「不交付」決定に対する要望書 published on

 2019年8月1日に開幕した「あいちトリエンナーレ2019」のなかの企画展の一つ、「表現の不自由展・その後」の展示が開幕からわずか3日で一時中止に追いこまれた。これは、展示作品の一つである「平和の少女像」などに対して、河村たかし名古屋市長が「日本人の、国民の心を踏みにじるもの」だから撤去すべきだと発言して、大村秀章愛知県知事に中止を申し入れたことに端を発する。その後、松井一郎大阪市長の「慰安婦の問題というのは完全なデマ」「デマの象徴の慰安婦像を行政が主催する展示会で展示するべきものではない」といった発言や、「あいちトリエンナーレ2019」に対する文化庁の補助金交付決定について「事実関係を確認、精査した上で適切に対応したい」との菅義偉内閣官房長官の発言が続いた。これに同調したメール・電話・FAX等による抗議の殺到と脅迫とにより、展示は一時中止になったのである。その後、9月26日になって、文化庁は、「文化芸術創造拠点形成事業」の一環である「2019年度『日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業文化資源活用推進事業』」として採択されていた「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金7829万円の「不交付」を決定した。

 「表現の不自由展・その後」を一時中止に追いこむ契機となった河村名古屋市長の発言は、日本国憲法第21条第1項に規定された表現の自由を侵害する行為に他ならない。一方、「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付の理由として、文化庁は本件について愛知県に「不適当」行為があったことを挙げた。つまり、「補助金申請者である愛知県は、展覧会の開催に当たり、来場者を含め展示会場の安全や、事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、それらの事実を申告することなく採択の決定通知を受領した」のだという。しかし、これは明らかに事後的にこじつけたものでしかなく、結果的に文化庁は、表現の自由の侵害行為に荷担することになってしまったのである。

 本来、行政機関は、今回の「表現の不自由展・その後」に加えられた攻撃に対し、展覧会施設や関係者の安全保護を徹底し、一方で、憲法上の権利である表現の自由を尊重する姿勢を毅然と示すべきであった。もし、今回の補助金「不交付」決定のような、すでに決定された補助金の支給決定の取消を許すようなことがあれば、それが前例となって、今後も、行政機関や公的助成機関が、脅迫や抗議を理由に、学術・教育等の活動に対する補助金支給決定をいくらでも取り消し得ることになる。このことは、近年、特に社会科学分野において、科学研究費補助金の交付を受けた研究の内容について、政治家等が「国の補助金にふさわしくない」などと干渉・介入する動きが出ていることとも軌を一にしている。その時々の政権担当者の意に添わない事業や研究への支援・助成に圧力をかけようとするものに他ならない。今回の「あいちトリエンナーレ2019」に関連して起った一連の出来事は、日本国憲法第23条の学問・研究の自由を擁護する立場からも、看過できない深刻な問題を含んでいるのである。

 さらに問題となるのは、「公共的な事業」「公共の場」では表現の自由は制限されても仕方がないという趣旨の発言を、河村名古屋市長が行っていることである。これに対して大村愛知県知事が的確に反論しているように、むしろ公共の場においてこそ表現の自由は保障されるべきである。このように公共性が誤用して理解されている状況において、文部科学省・文化庁はその誤りをただし国民を啓発する役割を担うべきであろう。

 我が国の歴史学系学協会の連合組織である日本歴史学協会は、表現の自由、学問・研究の自由がないがしろにされ侵害されている現状を深く憂い、賛同する学協会と共同で本声明を出すことにした。まずは、「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金不交付決定を取り消すように、文部科学大臣および文化庁長官に強く要望するものである。

2020年1月25日

日本歴史学協会   
岩手史学会     
京都民科歴史部会  
交通史学会     
ジェンダー史学会  
総合女性史学会   
千葉歴史学会    
朝鮮史研究会幹事会 
東京歴史科学研究会 
奈良歴史研究会   
日本史研究会    
別府大学史学研究会 
歴史学研究会    
歴史科学協議会   
歴史教育者協議会  

「あいちトリエンナーレ 2019」への補助金「不交付」決定に対する要望書(PDF)

東海資料ネット設立総会の開催について

東海資料ネット設立総会の開催について published on

【日 時】 2020年2月16日(日)
     〔講演〕13時30分~ 〔設立総会〕15時~
【会 場】 名古屋大学大学院人文学研究科 1階 第127講義室
     ※昨年12 月のシンポジウムとは部屋が異なります。
【講 演】 天野 真志 氏(国立歴史民俗博物館特任准教授)
     「歴史文化の継承とネットワーク構築」
【設立総会】 規約案や組織案、当面の活動方針案等を議論していただく予定です。

 

 近年全国各地で多発する自然災害は、多くの人命や建物だけではなく、歴史文化資料にも大きな被害をもたらしました。歴史文化資料の災害対策が各地で議論され、その保存と継承を目的とした「資料ネット」と総称される取り組みが行われています。すでに、全国で25団体が組織されました。
 東海地域でも、30年以内にかなり高い確率で発生するとされる南海トラフ巨大地震により、激甚な災害が確実視されています。また、異常気象による大水害の危険性は、東海地域も例外ではありません。すでに三重や静岡、岐阜では、実際のレスキューも含め災害対策が進められ、愛知でも博物館協会や県文化財保護室などの取り組みが見られるようになりました。
 このような状況を踏まえ、地域の大学関係者を中心とする私たちは、「東海資料ネット」(仮称)の設立を目指して活動を始めました。これにあたっては、他の資料ネットと同様に、大学関係者が先導的な役割を果たしつつも、同時に行政・博物館等との連携、市民の皆さんとの協業がきわめて重要であると考えます。本フォーラムは、その出発点として位置づけられるものです。シンポジウムでは、東海資料ネットの設立構想を発表します。
 なお、主催者の一つである大学共同利用機関法人人間文化研究機構では、地域歴史文化の中核となる各地の大学による歴史文化資料保全の取り組みを支援するために、国立歴史民俗博物館を主導機関として「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」を推進しています。本フォーラムは、同事業の一環でもあります。

東海資料ネット発起人一同
tokaishiryonet@gmail.com

東海資料ネット設立総会案内状

第9回「歴史から現在を考える集い」

第9回「歴史から現在を考える集い」 published on

第9回「歴史から現在(いま)を考える集い」
「「選別」の根源―社会的有用性というまなざし―」

〇講演 高野信治 氏(九州大学)
     「障害認識を遡る」
    藤井渉 氏(花園大学)
     「戦力ならざる者の戦争と福祉」

 二〇一六年に発生した相模原障害者施設殺傷事件は、障害者に対する差別や偏見によって引き起こされたとされています。また、重度の障害を持つ国会議員が「特別扱いされている」という声も聞こえてきます。このような差別や偏見が、現在の日本において確かに存在しているように思います。こういった考え方に対して、その起源を探るという試みは、「歴史」を考えることが現在の社会に対する認識を深めるひとつの手段となるのではないでしょうか。
 そこで、第九回「歴史から現在を考える集い」では、近世日本を中心に障害の有無による人間の区別・差別といった問題を研究しておられる高野信治氏と、社会福祉学の観点から、障害者福祉の制度を歴史的に研究しておられる藤井渉氏をお招きします。おふたりのご講演を通して、障害者に対する差別や偏見が発生する原因を歴史的に捉え直し、上記の問題を考える場にしていきたいと思います。

日 時 2月29日(土)14:00〜17:30(受付開始13:30)延期になりました
会 場 平安女学院大学 京都キャンパス 室町館4階 412教室
     (地下鉄烏丸線丸太町駅下車、徒歩5分)
     会場整理費500円。事前申込不要。一般来聴歓迎。
  

      お問い合わせ 日本史研究会 075-(256)-9211

 

日本史研究689号(2020年1月)

日本史研究689号(2020年1月) published on


研  究

日清戦争におけるコレラ流行と防疫問題 加藤真生
土地商租権問題再考―戦間期の日本外交と「満蒙問題」― 北野 剛

シリーズ 新自由主義時代の博物館と文化財

肥前島原松平文庫について 吉田信也

書  評

馬場 基著『日本古代木簡論』 俣野好治
平瀬直樹著『大内氏の領国支配と宗教』 萩原大輔
中元崇智著『明治期の立憲政治と政党―
      自由党系の国家構想と党史編纂―』
大日方純夫

声  明

即位の礼・大嘗祭に反対し、天皇の政治利用を批判する  

新刊紹介

『近代日本の政治と地域』  


例会・部会・委員会ニュース

 

尼崎市が本年(令和2年、2020年)4月に採用する専門職員(正規職員)採用試験実施のお知らせ

尼崎市が本年(令和2年、2020年)4月に採用する専門職員(正規職員)採用試験実施のお知らせ published on

尼崎市は、本年10月に新博物館を開館予定で、尼崎市立地域研究史料館はこの新博物館における公文書館部門(地域研究史料館部門)となる予定です。
この尼崎市の公文書館部門(地域研究史料館部門)において、歴史的公文書調査・選別収集・整理・公開等の事務を担当する正規職員1名の採用試験を実施します。
昭和54年(1979)4月2日以降に生まれた方で、大学において歴史学またはアーカイブズ学を専攻卒業していることが受験要件となります。
受験資格・エントリー方法・試験実施内容等につきましては、尼崎市公式サイト中の次のページをご覧ください。
http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/shisei/bosyu/syokuin/1019724.html

Web事前申し込み期間が令和2年1月14日(火曜日)~18日(土曜日)、必要書類郵送期間が1月20日(月曜日)までと、大変短い申し込み期間となっています。
公文書館事業の専門職として、意欲をもって働いていただける方のご応募をお待ちしています。

┏┏┏┏┏
┏┏┏┏┏ 尼崎市立地域研究史料館 館長 辻川 敦
┏┏┏┏┏
┏┏┏┏┏ 〒660-0881 尼崎市昭和通2-7-16
┏┏┏┏┏ TEL 06-6482-5246 / FAX 06-6482-5244
┏┏┏┏┏ E-mail ama-chiiki-shiryokan@city.amagasaki.hyogo.jp
┏┏┏┏┏ URL http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/
┏┏┏┏┏ Blog http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/blog/
┏┏┏┏┏ FB http://www.facebook.com/AmagasakiMunicipalArchives
┏┏┏┏┏ Twitter https://twitter.com/ama_archives
┏┏┏┏┏ (火曜・祝日休館)
┏┏┏┏┏

日本史研究688号(2019年12月)

日本史研究688号(2019年12月) published on


戦後歴史学の著作を読む(5)

特集にあたって 編集委員会

研究展望

森 浩一『古墳の発掘』 山田邦和
関  晃『帰化人―古代の政治・経済・文化を語る―』 大津 透
旗田 巍『元寇―蒙古帝国の内部事情―』に今学ぶべきもの 近藤 剛
笠松宏至『徳政令』を読む
  ―近代経済史学・法史学の方法論をめぐって―
井原今朝男
勝俣鎮夫『一揆』を読む 佐藤雄基
朝尾直弘『鎖国』の現在 清水有子
宮崎道生『新井白石』と「戦後歴史学」 清水光明
原口 清『日本近代国家の形成』を読む 羽賀祥二
色川大吉『明治精神史』 中元崇智
井上 清『天皇の戦争責任』 山田 朗


部会・委員会ニュース


『日本史研究』2019年発行号(677~688号)総目次

 

「研究に関する男女共同参画・ダイバーシティの推進状況に関するアンケー ト調査(研究者対象)」の実施について(ご協力のお願い)

「研究に関する男女共同参画・ダイバーシティの推進状況に関するアンケー ト調査(研究者対象)」の実施について(ご協力のお願い) published on

 このたび、全国ダイバーシティネットワークの幹事機関である大阪大学と日本学術会議科学者委員会男女共同参画分科会・同アンケート検討小分科会は協力して、「研究に関する男女共同参画・ダイバーシティの推進状況に関するアンケート調査(研究者対象)」を実施いたします。お忙しい中恐縮ですが、ぜひご回答にご協力いただきますようお願い申し上げます。
 アンケート専用の下記WEB サイト に入ってご回答ください。アンケートには 2 種があり、匿名回答で、所要時間はいずれも 10 分程度です。 アンケートの回答締め切りは、2020 年 1 月 10 日(金) です。詳細は下記サイトをご覧ください。

全国ダイバーシティネットワークのWEB サイト(アンケート専用)
https://www.opened.network/questionary/questionary-0002/

〇(調査1)大学・研究機関における男女共同参画の推進状況に対する意見・感想
〇(調査2)研究環境に関する意見・感想

全国ダイバーシティネットワークhttps://www.opened.network/
日本学術会議科学者委員会男女共同参画分科会
同 アンケート検討小分科会
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/danjyo/index.html

○問い合わせ先 三成 mitunari ■ cc.nara wu.ac.jp ■を@に直してご連絡ください。

表現・言論・学問の自由を擁護し、歴史修正主義・排外主義に反対する大会アピール

表現・言論・学問の自由を擁護し、歴史修正主義・排外主義に反対する大会アピール published on

 本年8月1日に開幕した「あいちトリエンナーレ2019」(主催・あいちトリエンナーレ実行委員会)のなかでの「表現の不自由展・その後」が、直後の8月3日に中止されるという事件があった。これは、展示作品「平和の少女像」について、名古屋市の河村たかし市長が批判したことなどに端を発し、主催者に展覧会へのテロを示唆する脅迫的行為が相次いだことを直接の原因としている。その後、「あいちトリエンナーレ2019」をめぐってはさまざまな議論が巻き起こったが、9月26日に至り、文化庁は、「あいちトリエンナーレ」に対する文化資源活用事業費補助金を全額不交付とするとの決定を行った。
 「表現の不自由展・その後」は、2015年に東京のギャラリーで開催された「表現の不自由展」を引き継ぐものであるが、「日本における「言論と表現の自由」が脅かされているのではないかという強い危機意識」を開催意図としたものである(「あいちトリエンナーレ2019」公式サイトより)。その危惧が現実のものとなったといえる。
 政治家や自治体首長の発言を契機とする脅迫によって芸術展が中止に追い込まれたのみならず、国家の公的機関による補助金が、事後に不交付決定されるという事態に、われわれも大きな危機感を共有するものである。
 このたびの事態は、数々の憂慮すべき問題を提起しているが、歴史の学術研究・教育に携わるわれわれが特に強く危惧を抱くのは、次の諸点である。
 まず言論・表現の自由は、社会の民主的発展に不可欠なものであるが、それを尊重しない政治家・自治体首長の発言が相次ぎ、また社会の中にそれを強く支持する勢力がかなり増大していることである。
 今回の展示中止事件をもたらすきっかけになった「平和の少女像」は、もともと日本軍による「慰安婦」問題・戦時性暴力を批判する韓国の世論と密接に関わり、政治的な役割も果たしてきた作品である。そのため排外主義的な思想を有する政治家・自治体首長の攻撃の的となってきた。それは、近年における歴史修正主義と軌を一にするものである。かつての侵略戦争・植民地支配を反省し、近隣諸国との友好関係を築き上げてきた日本にとって、こうした動向は、夜郎自大な自民族中心主義を育て上げることにしかつながらない。2014年に刊行した『「慰安婦」問題を/から考える―軍事性暴力と日常世界』(本会・歴史学研究会共編)や科学運動での取り組みなどにおいて本会は、侵略戦争を美化し「慰安婦」を捏造などとする歴史修正主義の動きを再三、批判してきた。このたびの事件の背景にある歴史修正主義的・排外主義的思考についても、改めて強く批判されるべきと考える。
 そして今回の事件で顕著となったのは、芸術展への攻撃方法として、政治家や自治体首長が補助金など公的資金の交付や公的施設を会場とすることをあげつらい、その発言が匿名による大量の脅迫的言論を誘発したということである。いわば、問題の本質をそらして自身の正当性・中立性を偽装しつつ、攻撃対象となった作家や関係者による反論や開かれた議論を封殺していくやり口をとったといえよう。文化庁による補助金不交付の決定は、これらの「攻撃」「脅迫」に権威的なお墨付きを与えたという点からも、社会に対する計り知れない打撃を与えるものと憂慮を表明せざるを得ない。
 なお、あいちトリエンナーレ実行委員会の会長でもある大村秀章愛知県知事が、河村名古屋市長の発言を日本国憲法第21条に違反するものであるとした上で、「公権力を持ったところであるからこそ、表現の自由は保障されなければならない」と強く批判したことは、至極まっとうな意見であり、事件の渦中にありながら勇気ある発言をされたことを評価したい。
 このたびの「あいちトリエンナーレ2019」をめぐる事件のみならず、現在、表現・言論・学問の自由を脅かす事態が次々に生起している。歴史教科書や日の丸・君が代をめぐる問題は言うに及ばず、天皇制や侵略戦争、差別への批判は、マスコミにおいてほぼ封殺され、インターネット・コミュニティにおいてはヘイト・スピーチが溢れかえっている現状である。科学研究費補助金の対象となっている研究課題や公立博物館における展示、大学入試の問題にまで、「反日」のレッテルを貼って執拗な攻撃を加えるさまざまな事態が起こっている。それは自由な言論と学術研究を萎縮させ、学問の発展を決定的に阻害するものであり、社会にとって害悪をなすものである。
 学術研究・教育の健全な発展には、表現・言論・学問の自由が重要であることは、論を俟たない。戦前の抑圧から解放されることで発展してきた戦後の歴史学研究にとって、それは原体験のごときものである。表現・言論・学問の自由を擁護することは、健全な民主主義を育て、善隣友好・世界平和を希求する国民の負託に応えるものでもある。
 戦後70年が過ぎ、また本年の天皇の「代替わり」を経て、われわれは、改めて歴史の学術研究の成果を無視し、隣国への差別意識を助長する歴史修正主義及び排外主義に反対するとともに、昨今の事態に深い憂慮を表明し、表現・言論・学問の自由の重要性を強く社会に訴えるものである。

2019年度日本史研究会大会10月13日