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大会「オンライン」書籍展示への出展申込について【学会・研究会・出版社等向けのご案内】

大会「オンライン」書籍展示への出展申込について【学会・研究会・出版社等向けのご案内】 published on

 2021年10月9日(土)・10日(日)に立命館大学衣笠キャンパスにて開催を予定しております2021年度日本史研究会総会・大会ですが、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、事前申込制により、人数を制限した上での「対面方式」とウェブ会議システムを活用した「オンライン方式」との併用にて開催する予定となっております。それにともない、毎年実施しております「対面方式」での書籍展示については今年度も中止とさせていただきます。この間の情勢を鑑み、何卒御理解いただけますと幸甚に存じます。

 日本史研究会では、対面方式での書籍展示の代わりとして、本会ホームページ上での「オンライン書籍展示」を開催いたします。展示期間は2021年10月1日(金)~11月1日(月)の予定です。学会・研究会・出版社等の名称とリンク先のURLを掲載させていただきます。掲載費は無料です。なお、日本史研究会が、書籍の購入希望者との間に入ることは一切ありませんので、その旨ご了承ください。

 出展を希望される場合は、学会・研究会・出版社等の名称、申込責任者名、連絡先メールアドレス、およびリンク先のURLを添えて9月17日(金)までに、以下の日本史研究会事務所アドレスへお申し込みください。

 

2021年8月

日本史研究会

info@nihonshiken.jp

2021年度 歴史学入門講座(京都)

2021年度 歴史学入門講座(京都) published on

日時 9月19日(日) 午後1時~5時
場所 オンラインにて開催(Zoomを使用)
テーマ 社会を読み解くための歴史学—「線引き」と「排除」をめぐって—
講師 東島誠氏(立命館大学教授)
   「いま、歴史学に何が可能か―「新しい中世3.0」問題の先に」
   金子龍司氏(法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員)
   「娯楽統制と投書階級―投書したのは一体誰か―(仮)」
趣旨説明
 「役に立つ/役に立たない」という基準が物事の価値に影響力を持って久しい現在、歴史学は一体何の「役に立つ」のでしょうか。この問いに対して、「役に立つ」という基準そのものを「役に立たない」として、答えを出さず切り捨てる傾向があるように思います。しかし、そのように問いから逃げてしまってよいのでしょうか。また、外からの声に正面から向き合おうとしない歴史学に問題はないのでしょうか。
 そこで、今回の歴史学入門講座では、現在の歴史学自体が抱えている問題に目を配りながら、歴史学から現代社会の諸問題を読み解くことで歴史学なりの「役に立つ」方法を考えてみよう、という試みから、上記のテーマを設定しました。現在の歴史学において「<軌範>なき歴史学」が蔓延していることに警鐘を鳴らしておられる東島誠氏と、昭和戦時期の娯楽統制の問題を市民の影響力から再考しておられる金子龍司氏とをお招きします。おふたりのご講演を通して、現代社会に対して歴史学はどのようなアプローチをとることができるのか、考える場にしていきたいと思います。

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン形式で行います。
参加費無料。参加をご希望の方は、9月17日(金)までに参加申込フォーム
https://forms.gle/j9dsFvAyxD39Wh5X8)よりお申し込みください。
主催 歴史学入門講座実行委員会
共催 日本史研究会
お問合せは、nyumonkouza2021@gmail.com まで

日本史研究707号(2021年7月)

日本史研究707号(2021年7月) published on
研  究  
平安前期の在地有力者と律令官人制─武散位・衛府舎人・院宮王臣家人を中心に─ 十川 陽一
官房長官国務大臣化の政治過程─佐藤栄作内閣における内閣官房強化の試み─ 市川 周佑
書  評  
宮川麻紀著『日本古代の交易と社会』 市川 理恵
宮田敬三著『源平合戦と京都軍制』 川合  康
前田亮介著『全国政治の始動─帝国議会開設後の明治国家─』 飯塚 一幸
要 望 書  
大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望について  
新刊紹介  
熊本史雄著『近代日本の外交史料を読む』  
例会・部会・委員会ニュース  

第四一回 平和のための京都の戦争展ミニシンポジウム

第四一回 平和のための京都の戦争展ミニシンポジウム published on

日時 七月二三日(金)午後二時~午後四時

場所 京都教育文化センター 三〇二号室

   (京都市左京区聖護院川原町四の一三)

テーマ 「太平洋戦争と東南アジア・研究状況と課題―ビルマを中心に―」

 現在の日本がアジアのなかで関係を築いていく上で、日本の戦争責任、そして植民地・占領地に対する責任と向き合うことは欠かせない作業です。しかし、現在の情勢において、果たしてそれは果たされているといえるでしょうか。本年のミニシンポジウムでは、ビルマにおいて行われた占領地政策とその被害状況を研究しておられる方を講師に迎え、ビルマではいかなる占領地政策がおこなわれていたのか、それは現地にどのような被害を与えたのかという問題を取り上げます。

主催 日本史研究会

一般来聴歓迎。予約不要。入場無料。

問い合わせ先 日本史研究会 〇七五(二五六)九二一一

※新型コロナウイルス感染症の流行状況によって、開催方法をZoomによるオンライン開催に変更することがあります。その場合は日本史研究会のホームページよりお知らせいたします。

※新型コロナウイルス感染症対策について
 会場では、マスクの着用をお願いいたします。また、三密の回避、身体的距離の確保、大声を出さないなど、京都府の定める基本的な感染予防対策にご協力いただけない場合は、ご退出いただく場合もございます。

「歴教協第72回全国大会(オンライン)」のお知らせ

「歴教協第72回全国大会(オンライン)」のお知らせ published on

1.テーマ 「コロナ社会」から希望を紡ぐ社会科教育
2.全体会 7月31日(土) 12時30分~15時
  基調提案  山田 朗(歴史教育者協議会委員長)
  記念講演  民主主義とは何か?菅政権とメディア、縁故主義?  望月 衣塑子(ジャーナリスト)
3.分科会 8月1日(日)10:00~12:00 13:00~17:00
   21の分科会に全国から多数のレポート
4.地域に学ぶ集い  7月31日(土) 15:30~17:30
 1.教科書問題  高校新学習指導要領 新科目の批判的検討~「歴史総合」を中心に~
 2.日韓交流   コロナ禍の韓国教育事情
 3.日中交流   コロナ禍を通じて、日中の高校生は何を学び、何を考えたか?
          ~初めての高校生による遠隔地交流~
 4.震災10年の宮城   3.11大震災から10年、風化が進む最大の被災地石巻の現状と課題
 5.震災10年の福島   原発事故から10年、福島からの報告
 6.歴教協ユース世代企画 私たちが次の世代へ伝えられること~コロナ禍の現代社会から未来へ~
◆大会参加費  会員・教員  3,000円  学生・市民  1,500円
◆大会申込みについて  申込み受付期間  5月6日(木)~7月23日(金)
 事前申し込みのみで、 参加申し込みもオンライン申込のみです。歴教協のホームページから大会参加申込みサイトを開いて、必要事項を入力して送信してください。

第72回大会チラシ

日本史研究706号(2021年6月)

日本史研究706号(2021年6月) published on
研  究  
百姓一揆という罪科の記憶―宝暦一二年飯田藩千人講騒動の〈その後〉― 林 進一郎
大久保利通と内務省勧農政策 小幡 圭祐
シリーズ 新自由主義時代の博物館と文化財  
コロナ禍と博物館②  
新型コロナウイルス蔓延下における博物館の諸活動と今後―オンライン・現代資料・パブリック― 後藤  真
書  評  
太田久元著『戦間期の日本海軍と統帥権』 森  茂樹
黒川伊織著『戦争・革命の東アジアと日本のコミュニスト 1920-1970年』 立本 紘之
矢嶋 光著『芦田均と日本外交―連盟外交から日米同盟へ―』 樋口 真魚
部会・委員会ニュース  

第9回「歴史から現在を考える集い」

第9回「歴史から現在を考える集い」 published on

第9回「歴史から現在(いま)を考える集い」
「「選別」の根源―社会的有用性というまなざし―」
〇講演 高野信治 氏(九州大学)
 「障害認識を遡る」
    藤井渉 氏(日本福祉大学)
 「戦力ならざる者の戦争と福祉」
 2016年に発生した相模原障害者施設殺傷事件は、障害者に対する差別や偏見によって引き起こされたとされています。また、重度の障害を持つ国会議員が「特別扱いされている」という声も聞こえてきます。このような差別や偏見が、現在の日本において確かに存在しているように思います。こういった考え方に対して、その起源を探るという試みは、「歴史」を考えることが現在の社会に対する認識を深めるひとつの手段となるのではないでしょうか。
 そこで、第9回「歴史から現在を考える集い」では、近世日本を中心に障害の有無による人間の区別・差別といった問題を研究しておられる高野信治氏と、社会福祉学の観点から、障害者福祉の制度を歴史的に研究しておられる藤井渉氏をお招きします。おふたりのご講演を通して、障害者に対する差別や偏見が発生する原因を歴史的に捉え直し、上記の問題を考える場にしていきたいと思います。
(※この催しは、昨年中止になったものを再企画したものです)
〇日 時 8月28日(土)14:00〜17:30(受付開始13:30)
〇会 場 平安女学院大学 京都キャンパス 室町館2階201教室
  (地下鉄烏丸線丸太町駅下車、徒歩5分)
  会場整理費500円。事前申込不要(新型コロナウイルス感染症対策のため、参加者が100名を超えた場合は入場をお断りする場合があります)。感染予防対策にご協力ください。
  お問い合わせ 日本史研究会 075-(256)-9211

※新型コロナウイルス感染症対策について
 会場では、マスクの着用をお願いいたします。また、三密の回避、身体的距離の確保、大声を出さないなど、京都府の定める基本的な感染予防対策にご協力いただけない場合は、ご退出いただく場合もございます。

第9回「集い」チラシ

大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望についての賛同署名

大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望についての賛同署名 published on

 私たち(島根史学会・島根考古学会・戦後史会議松江の3団体)は、アジア・太平洋戦争末期に海軍航空基地として建設された、大社基地及びその関連施設(大社基地遺跡群)の学術調査・文化財指定と保存・整備・活用を島根県と出雲市に要望しています。 

 「大社基地遺跡群」は、アジア・太平洋戦争最末期の1945年3月から6月にかけて地元住民・国民学校生徒までも動員し、「本土決戦」に備えて斐伊川支流の新川廃川跡に急造された海軍航空基地で、長く陸上自衛隊出西訓練場として利用されてきました。その間、中国財務局は「主滑走路」跡を「切り売り」してきたのですが、昨年12月、原状をとどめる部分を公売に付し、地元企業が住宅団地として開発する計画で落札して今に至っています。現時点では、出雲市・島根県とも保存に向けて明確な対応をとることを表明していませんので、事態は重大な局面が続いています。

 「大社基地遺跡群」については、これまでも島根県内の研究者によって調査・研究が行われ、小学校から大学に至る各学校で平和学習・歴史教育の実地教材、フィールドワーク対象地として活用されてきました。最近でも、戦後史会議・松江が調査・編纂・刊行した『島根の戦争遺跡』(2021年2月刊行)で、松江市・出雲市・雲南市内の507に及ぶ戦争遺跡の中で、最大規模のものと確認されています。

 この間、戦争遺跡保存全国ネットワーク共同代表の出原恵三氏が現地調査を実施した上で、十菱駿武氏とともに評価書を作成され(島根県・出雲市に提出済み)、一般社団法人日本考古学協会も埋蔵文化財保護対策委員会委員長名の「要望書」を文化庁長官、島根県知事・教育長、出雲市長・教育長に提出されました。これらの評価書・要望書の基礎になった「大社基地遺跡群」の特徴と意義は次のとおりです。

 

①遺跡の規模が大きいこと。

コンクリート舗装された主滑走路を中心に東西・南北各6km余(出雲市~松江市玉湯町)にわたる範囲に遺存しています。

②アジア・太平洋戦争最末期に建設された海軍航空基地の全体構成・構造を今に遺しています。

1)多様な航空基地施設の遺構※で構成されています。

※主滑走路、掩体、地下壕、兵舎、誘導路、対空機銃陣地、設営部隊本部建物=旧出西国民学校校舎など

2)基地の建設時期である1945年3月~6月は、「本土決戦」が呼号され、また、沖縄戦と重なる状況であり、「大社基地遺跡群」はこの時期の戦争遺跡として特段の重要性をもつものです。

③建設時の原状をよく遺して保存されています。

「主滑走路」(現在も幅60メートル×長さ600メートルがそのまま遺っています)の型枠作り工法によるコンクリート舗装など建設当時の状況を伝えています。

④広範な県民を動員して建設されたものです。

周辺住民・鰐淵鉱山鉱夫・国民学校学童も、基地建設に動員されました。

⑤ ④の関係住民に加え、基地勤務者が存命で、聴取調査が可能です。

⑥島根県内(とくに出雲市・松江市)で平和教育に広く活用されています。

従来も小学校の平和学習で利用されてきましたが、「コロナ禍」で広島修学旅行が中止されたことにともない、平和学習の場として「大社基地」が見学学習で利用されています。

 

2021年5月

島根史学会

島根考古学会

戦後史会議松江


2021年3月17日

島根県知事 丸山達也様

島根県教育委員会教育長 新田英夫様

 

島根史学会会長 竹永三男

島根考古学会会長 松本岩雄

戦後史会議・松江世話人代表 若槻真治

 

  大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望について

 

 私たちは、アジア・太平洋戦争末期に海軍航空基地として建設された、島根県出雲市斐川町出西・直江・荘原地区を中心とした広い地域に存在する大社基地及びそれに附属する遺跡群(以下、大社基地遺跡群と呼ぶ)の学術調査と保存、ならびに文化財指定を要望します。

 大社基地遺跡群は、アジア・太平洋戦争当時の海軍航空基地として、その遺構を良好に残す島根県最大規模の、また全国的にも稀有の戦争遺跡です。

 アジア・太平洋戦争の末期には、戦況の悪化とともに、首都圏、大都市圏、九州南岸などに点在していた陸海軍の航空基地は次々と空襲を受けました。そこで、本土決戦に備えて航空機を温存しようとした軍部は、空襲による被害が比較的少ないと考えられた日本海側に航空基地を移転しようとしました。そして、1945年(昭和20)3月から6月にかけて、120m×1700mの主滑走路(そのうちコンクリート舗装部分60m×1500m)と、30m×600mの応急離陸路等を持つ海軍航空基地が、国民学校生までをも動員して急遽建設されることになりました。こうして建設された大社基地は、当時、西日本最大の爆撃・雷撃の拠点でした。

 大社基地遺跡群には、現在でも主滑走路のおよそ半分が当時のままの状態で残されているほか、その周辺には、東西およそ6キロメートル、南北およそ6キロメートルの範囲で、配備された爆撃機「銀河」の掩体、爆弾や魚雷を格納した地下壕、兵舎跡、対空機銃陣地跡、基地設営隊本部が置かれた旧出西国民学校校舎などが残されています。国立公文書館アジア歴史資料センターでは、大社基地等の造営を担った舞鶴海軍鎮守府所属第338設営隊の戦時日誌など、関連する多くの文献資料が確認できるという点でも、貴重な遺跡です。

 以上のように、大社基地遺跡群は、海軍航空基地としての規模が大きいこと、主滑走路と附属施設が建設当時の原状をよく残していること、関連する文献資料が豊富なことなどから、戦争遺跡として全国的にも稀な、貴重な文化財であると考えます。このことは県内でも夙に注目されており、島根県教育庁文化財課編『島根県の近代化遺産島根県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(平成14年3月、島根県教育委員会)にも「陸上自衛隊出西訓練場(海軍大社基地関連施設群)」として掲載されています。

 このことに加え、大社基地遺跡群は、貴重な平和学習の場として、これまでも、また現在も学校教育・社会教育で活用されています。特に主滑走路は、子供たちが戦争の実態や当時の雰囲気を実感する上で格好の教材として活用されています。

 このように大社基地遺跡群は、戦争遺跡として島根県を代表する貴重な文化財であるにもかかわらず、これまで開発に伴う発掘調査が行われた以外には公的な学術調査は行われておらず、調査・研究は、もっぱら民間研究者による個別的な努力に委ねられてきました。そのため各種の遺構の正確な分布調査は十分にはなされておらず、学術的研究もなお不十分な状態にあります。

 現在、大社基地遺跡群の中の主滑走路の大部分は民間に売却されることになり、落札者が確定したと報じられています。このことも、学術的調査と研究が不十分であったこと、その必要性を文化財保護行政当局に働きかけなかったことによるものとして、私たち研究団体としても、深く反省すべきことと考えております。

 以上のことから、私たちは、大社基地遺跡群について、以下のことを要望します。

 

要望事項

1.大社基地遺跡群の総合的な学術調査を行うこと。

2.大社基地遺跡群を県指定史跡に指定して保存すること。

3.貴重な戦争遺跡として保存管理計画を策定し、今後の整備と活用について検討すること。

以上

 

〔学会賛同署名〕

上記の「大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望について」の趣旨を確認し、賛同します。

2021年5月15日   日本史研究会

 


2021年4月9日

出雲市長 長岡秀人様

出雲市教育委員会教育長 杉谷学様

 

島根史学会会長 竹永三男

島根考古学会会 長松本岩雄

戦後史会議・松江世話人代表 若槻真治

 

  大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望について

 

 私たちは、アジア・太平洋戦争末期に海軍航空基地として建設された、島根県出雲市斐川町出西・直江・荘原地区を中心とした広い地域に存在する大社基地及びそれに附属する遺跡群(以下、大社基地遺跡群と呼ぶ)の学術調査と保存、ならびに文化財指定を要望します。

 大社基地遺跡群は、アジア・太平洋戦争当時の海軍航空基地として、その遺構を良好に残す島根県最大規模の、また全国的にも稀有の戦争遺跡です。

 アジア・太平洋戦争の末期には、戦況の悪化とともに、首都圏、大都市圏、九州南岸などに点在していた陸海軍の航空基地は次々と空襲を受けました。そこで、本土決戦に備えて航空機を温存しようとした軍部は、空襲による被害が比較的少ないと考えられた日本海側に航空基地を移転しようとしました。そして、1945年(昭和20)3月から6月にかけて、120m×1700mの主滑走路(そのうちコンクリート舗装部分60m×1500m)と、30m×600mの応急離陸路等を持つ海軍航空基地が、国民学校生までをも動員して急遽建設されることになりました。こうして建設された大社基地は、当時、西日本最大の爆撃・雷撃の拠点でした。

 大社基地遺跡群には、現在でも主滑走路のおよそ半分が当時のままの状態で残されているほか、その周辺には、東西およそ6キロメートル、南北およそ6キロメートルの範囲で、配備された爆撃機「銀河」の掩体、爆弾や魚雷を格納した地下壕、兵舎跡、対空機銃陣地跡、基地設営隊本部が置かれた旧出西国民学校校舎などが残されています。国立公文書館アジア歴史資料センターでは、大社基地等の造営を担った舞鶴海軍鎮守府所属第338設営隊の戦時日誌など、関連する多くの文献資料が確認できるという点でも、貴重な遺跡です。

 以上のように、大社基地遺跡群は、海軍航空基地としての規模が大きいこと、主滑走路と附属施設が建設当時の原状をよく残していること、関連する文献資料が豊富なことなどから、戦争遺跡として全国的にも稀な、貴重な文化財であると考えます。このことは県内でも夙に注目されており、島根県教育庁文化財課編『島根県の近代化遺産島根県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(平成14年3月、島根県教育委員会)にも「陸上自衛隊出西訓練場(海軍大社基地関連施設群)」として掲載されています。

 このことに加え、大社基地遺跡群は、貴重な平和学習の場として、これまでも、また現在も学校教育・社会教育で活用されています。特に主滑走路は、子供たちが戦争の実態や当時の雰囲気を実感する上で格好の教材として活用されています。

 このように大社基地遺跡群は、戦争遺跡として島根県を代表する貴重な文化財であるにもかかわらず、これまで開発に伴う発掘調査が行われた以外には公的な学術調査は行われておらず、調査・研究は、もっぱら民間研究者による個別的な努力に委ねられてきました。そのため各種の遺構の正確な分布調査は十分にはなされておらず、学術的研究もなお不十分な状態にあります。

 現在、大社基地遺跡群の中の主滑走路の大部分は民間に売却されることになり、落札者が確定したと報じられています。このことも、学術的調査と研究が不十分であったこと、その必要性を文化財保護行政当局に働きかけなかったことによるものとして、私たち研究団体としても、深く反省すべきことと考えております。

 

 以上のことから、私たちは、大社基地遺跡群について、以下のことを要望します。

 

要望事項

1.大社基地遺跡群の総合的な学術調査を行うこと。

2.大社基地遺跡群を県指定史跡に指定して保存すること。

3.貴重な戦争遺跡として保存管理計画を策定し、今後の整備と活用について検討すること。

以上

 

〔学会賛同署名〕

上記の「大社基地遺跡群の学術調査、文化財指定と保存に関する要望について」の趣旨を確認し、賛同します。

2021年5月15日   日本史研究会

 

2021年度日本史研究会総会・大会

2021年度日本史研究会総会・大会 published on

2021年度日本史研究会総会・大会

期日:2021年10月9日(土)・10日(日)

会場:立命館大学 衣笠キャンパス(京都市北区等持院北町56-1)

日程 10月9日(土)

午前 総会
午後 個別報告
報告  神谷 正昌氏
   木下  聡氏
   川本 慎自氏
   清水 光明氏
   塩出 浩之氏

   10月10日(日)

共同研究報告  
古代史部会  駒井  匠氏
中世史部会  酒匂由紀子氏
近世史部会  後藤 敦史氏
   千葉 拓真氏
近現代史部会  田中 智子氏
   塩原 佳典氏

*オンライン方式との併用にて開催予定です。
 詳細は、決定次第お知らせいたします。

日本史研究705号(2021年5月)

日本史研究705号(2021年5月) published on
特集 外国史としての日本史研究
特集にあたって 編集委員会
研究展望  
韓国における日本史研究の過去と現在 朴 秀哲
ロシアにおける日本史研究の現状と動向―中世史を中心に― アンナ・ドゥーリナ
中国における外国史としての日本史研究

劉 暁峰
劉 晨

ベトナムにおける日本史研究の回顧と展望
ファム・レ・フイ
シリーズ 新自由主義時代の博物館と文化財  
コロナ禍と博物館①  
コロナの記憶を残す―吹田市立博物館の取り組みとその課題・展望― 五月女賢司
書  評  
長谷部将司著『日本古代の記憶と典籍』 笹川尚紀
久水俊和著『中世天皇家の作法と律令制の残像』 秦野裕介
歴史通信  
少し長いひと言 鈴木利章
声  明  
新たな装いで現れた日本軍「慰安婦」否定論を批判する日本の研究者・アクティビストの緊急声明
部会・委員会ニュース