歴史教育の明日を探る―「授業・教科書・入試」改革に向けて―
日時
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8月1日(土)13~17時 |
場所 |
日本学術会議講堂 |
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※入場無料・事前予約不要 |
13:00 |
趣旨説明 井野瀬久美恵(第一部会員・甲南大学教授)
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13:10~14:40 |
第一部 授業・教科書・入試~歴史教育改革を三位一体で考える~
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報告1 |
歴史教科書をどう書き換えるか?―ジェンダーの視点から
三成美保(第一部会会員・奈良女子大学教授)
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報告2 |
高校歴史教育のあり方をめぐる議論
久保亨(第一部会員・史学委員会委員長・信州大学教授)
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報告3
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制度の壁か思考の壁か?―暗記オンリーでない歴史の試験をめざして
桃木至朗(連携会員・大阪大学教授)
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コメント |
現場の声をつなぐ 小川幸司(特任連携会員・長野県長野高等学校教頭) |
14:50~15:45
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第二部 教材実例としての「慰安婦」問題
~研究の到達点を踏まえた教育実践と市民の育成~
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報告1 |
長志珠絵(連携会員・神戸大学教授)
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報告2
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小浜正子(連携会員・日本大学教授) |
コメント |
ドイツとの比較から 姫岡とし子(連携会員・東京大学教授) |
15:45~16:55 |
総合討論
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司会 井野瀬久美恵・平野千果子(連携会員・武蔵大学教授) |
16:55
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閉会の辞 久留島典子(第一部会員・東京大学教授) |
日本学術会議・史学委員会では、これまでも高校歴史教育について、「歴史基礎」の設置、用語の見直しやジェンダー視点を入れた教科書の書き換え等の提言を行ってきました。
今回のシンポジウムでは、ジェンダー視点の重視とともに、模索が続く「授業・教科書・入試」という3つの改革を連動させて、新しい歴史教育の実践を具体的に考えたいと思います。
第一部で「改革の三位一体」を現場の声とつなぐ議論をした後、第二部では、その教材事例として「慰安婦」問題を取り上げます。アメリカの歴史学者から出された「日本の歴史家を支持する声明」(2015年5月5日)や、「「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明」(2015年5月25日)といった研究者の声、歴史研究の成果は、教育現場にどのように反映されるのでしょうか。実践的に探ってみたいと思います。
主催:日本学術会議史学委員会歴史学とジェンダーに関する分科会
共催:日本学術会議史学委員会歴史認識・歴史教育等分科会
科研費基盤研究(A)「ジェンダー視点に立つ『新しい世界史』の構想と『市民教養』としての構築・発信」http://ch-gender.jp/wp/
後援:ジェンダー史学会・日本史研究会
問い合わせ先:甲南大学井野瀬研究室kumie.inose@cao.go.jp
会場へのアクセス:http://www.scj.go.jp/ja/other/info.html
第35回平和のための京都の戦争展ミニシンポ
日 時 |
8月9日(日)午後2時~4時 |
テーマ |
「京都における建物疎開と都市防空の実態」 |
場 所 |
立命館大学国際平和ミュージアム 二階ミュージアム会議室
(京都市北区等持院北町56―1)
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講 師 |
川口 朋子氏(京都外国語短期大学) |
都市を空襲から守るという名目で住民を強制的に立ち退かせた建物疎開の実態は、空襲被害の影に隠れて、これまで十分に検証されてきませんでした。しかし建物疎開も戦争の一側面であり、人々の生活を根底から破壊したものであることに変わりはありません。戦後七〇年を迎えるにあたって、建物疎開の実態を振り返ることは、戦争による市民生活の破壊の問題を考える上でいま一度必要な試みであります。本企画では、京都における建物疎開の詳細な実態や、その対象となった住民の記憶や動向について研究しておられる川口朋子さんを講師に迎えました。皆さんとともに考えていきたいと思います。
※川口氏の近著『建物疎開と都市防空―「非戦災都市」京都の戦中・戦後―』(京都大学学術出版会、2014年)
主 催 日本史研究会
一般来聴歓迎。予約不要。入場無料。
問い合わせは、日本史研究会 (075)256―9211
歴史学入門講座 公開勉強会
日時:5月30日(土) 13時~
場所:機関紙会館3階会議室
本年度の歴史学入門講座(京都)は、6月7日(日)、機関紙会館5階大会議室で、 本郷真紹氏・保立道久氏を講師にお招きして開催します。
入門講座に先立ち公開勉強会を行います。両氏の論文を各1本取り上げる予定です。いずれもお気軽にご参加ください。
第4回 歴史から現在(いま)を考える集い
「『消費者』の力学を考える」
講演者 |
原山 浩介 氏(国立歴史民俗博物館) |
日時 |
2015年2月28日(土) 午後3時~午後5時 |
会場 |
機関紙会館5階 大会議室 |
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(京都市上京区新町丸太町上る東側) |
主催 |
日本史研究会 |
*入場無料、一般来聴歓迎、予約不要。
詳細はポスター(PDF)を御覧ください。
お問い合わせは日本史研究会事務局(075-256-9211)まで
市民講演会「天皇写真と戦死者の遺影―「聖戦」の図像を読み解く―」
日 時 一一月二四日(月・祝)午後二時半~四時半(二時開場)
場 所 機関紙会館五階大会議室
(京都市上京区新町通り丸太町上がる春帯町三五〇
地下鉄烏丸線丸太町駅下車西へ徒歩五分市バス府庁前下車すぐ)
テーマ 「天皇写真と戦死者の遺影―「聖戦」の図像を読み解く―」
講 師 川村 邦光氏(大阪大学)
集団的自衛権の行使容認をはかる安倍政権は、これと同時に、力強く振る舞う首相の写真をマスコミに撮らせて、イメージの面からも「戦争ができる国」づくりを推進しています。これは決して現在だけの問題ではありません。かつてアジア太平洋戦争では、軍隊の前で騎乗する天皇や、勇ましい兵士の写真や画像が「聖なる戦争」のイメージ作りに用いられました。本企画では、川村邦光氏を講師に迎えて、写真や画像によって作り出される戦争のイメージの問題について、理解を深めていきたいと思います。
※台風で中止となった京都の戦争展ミニシンポの振替です。
一般来聴歓迎。予約不要。入場無料。
問い合わせは、日本史研究会 (〇七五)二五六―九二一一
2006年秋に高校で必修である世界史を他の科目で代替していた問題が発覚して以来、各方面で高校における歴史教育改革の検討が進められてきました。この世界史未履修問題が発生した背景には様々な要因があるといわれていますが、世界史は高校で初めて本格的に習う上、覚えるべき用語が多く、生徒たちに苦手意識があること。また、高校では週休2日制が導入された上、「総合学習」や「情報」などの新科目が設置され、地歴科関係の授業時間が縮小していること。さらに、小中学校の社会科(歴史分野)では日本史中心の教育が行われているため、大学進学を考える生徒の中では日本史での受験を希望する生徒が多く、世界史の必修を負担に考える傾向があること、などが指摘されています。
このような世界史未履修問題の表面化をうけて、日本学術会議では歴史と地理の専門家による分科会が設置され、2011年8月に『新しい高校地理・歴史教育の創造―グローバル化に対応した時空間認識の育成―』を提言しました。この中では、世界史Aと日本史Aを統合した「歴史基礎」と地理Aを改編した「地理基礎」を必修とするとともに、受験の中心科目である世界史Bと日本史Bに関しては歴史的思考力の育成を強化するため、用語を2000語程度に限定するガイドラインを作成し、大学側もその範囲で入試問題を出題するように提案しました(www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t130-2.pdf)。
この提言を受け、世界史Bと日本史Bの用語を限定する試案を作成するため、2012年10月から日本学術会議の提言作成に関わったメンバーを中心として高等学校歴史教育研究会が三菱財団人文科学研究助成金を得て、高校教員と大学教員5名ずつの構成で発足しました。この間、小中学校社会科(歴史分野)の歴史用語、高校世界史A・日本史Aの用語、世界史B・日本史Bの用語(ゴシック用語も含む)の教科書ごとの収録頻度、大学入試センター試験の出題用語などの基礎データを作成し、歴史教育における小中高大の積み上げの中で高校の世界史Bや日本史Bにおける重要用語を限定するガイドラインの試案を作成してきました。この基礎データと検討結果は、高校歴史教育研究会と協力関係にある世界史研究所(南塚信吾代表)のホームページに次のアドレスで掲載してあります。
http://www.history.l.chiba-u.jp/~riwh/japanese/index.php?itemid=214
この調査結果によると、大学受験の中心科目である世界史Bと日本史Bに関しては、改訂の度に用語が膨らむ傾向が続いており、1950年代初めには1200~1500語程度であったものが、最新の2012年度検定の教科書では3500~3800語程度に膨張しています。これは歴史学の発展により新しい研究成果を盛り込む努力の現れという面もありますが、高校の歴史教育で確保される時間数が減少してきているため、高校現場では近現代史まで教えらずに終わるケースが増えているといわれます。
また、一部の大学入試では細かい用語の暗記力を問う出題が続いているため、高校現場ではひたすら用語の暗記を生徒に強いる教育に追われ、生徒に歴史の面白さを伝え、歴史的思考力の育成を図る授業が行えない状況が続いています。その結果、生徒たちの間では歴史学習は暗記科目で、自分の将来には関係ないとして「歴史離れ」する傾向があり、大学進学後の学習に高校の歴史教育が役立っていない傾向も出ているといわれます。
他方、文部科学省では、2008年度の学習指導要領の改訂にあたり、新科目の検討も議論になったようですが、時間不足から当面、世界史必修が継続されました。その後、2018年ごろに予定される次の学習指導要領の改訂に向けて、研究開発学校などで歴史基礎・地理基礎など新科目の実験も進行しています。しかし、最近では高校でも日本史を必修にする案が浮上しており、もし、世界史必修を止めて、日本史のみを必修にした場合には高校における世界史履修者の激減が予想され、グローバル化時代に逆行することになりかねません。
このように現在は、高校の歴史教育の在り方を検討する上で重要な岐路に差し掛かっていると考えられます。そこで、高等学校歴史教育研究会、日本学術会議高校歴史教育分科会、日本歴史学協会歴史教育特別委員会では、協議の末、高校の歴史教育や大学入試の在り方を検討するアンケートを多くの関係者にお願いし、改革の基本方向を検討する参考にさせていただきたいと考えました。
このアンケートへの回答は、2014年8月末までに下記あてに郵送または電子データでお送りくださるようにお願いします。また、できるだけ多くの方にアンケートにお答えいただくためにアンケートに協力いただけそうな方を下記あてにご紹介ください。なお、アンケートに記入いただく際には、回答者の皆さんの高校歴史教育との具体的な関係と回答内容の相関を知りたいと考え、記名回答をお願いします。勿論、無記名を希望される場合は氏名欄の無記入でも構いません。また、アンケート結果は、9月末までに集計し公表する予定ですが、発表にあたっては回答者のお名前を公表することは致しませんので、ご自由に回答くださるようにお願いします。
第34回 平和のための京都の戦争展ミニシンポ
テーマ 「天皇写真と戦死者の遺影―「聖戦」の図像を読み解く」
講 師 川村 邦光氏(大阪大学)
日時 八月一〇日(日)午後二時~四時
場所 立命館大学国際平和ミュージアム 二階ミュージアム会議室(京都市北区等持院北町56-1)
集団的自衛権の行使容認をはかる安倍政権は、これと同時に、力強く振る舞う首相の写真をマスコミに撮らせて、イメージの面からも「戦争ができる国」づくりを推進しています。これは決して現在だけの問題ではありません。かつてアジア太平洋戦争では、軍隊の前で騎乗する天皇や、勇ましい兵士の写真や画像が「聖なる戦争」のイメージ作りに用いられました。本企画では、川村邦光氏を講師に迎えて、写真や画像によって作り出される戦争のイメージの問題について、理解を深めていきたいと思います。
主 催 日本史研究会
入場無料 一般来聴歓迎 予約不要
お問い合わせは 日本史研究会 〇七五(二五六)九二一一
2014年度歴史学入門講座
「史料論の現在」
講師 永村 眞 氏 (日本女子大学) 「中世寺院の史料論」
倉本一宏 氏 (国際日本文化研究センター)
「古記録という史料―『御堂関白記』を中心として」
日時 7月5日(土)13:00~17:00
※懇親会もご用意しております。是非ご参加ください。
場所 機関紙会館5階大会議室
京都市上京区新町通り丸太町上る東側
地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩5分
市バス府庁前下車すぐ。
◆参加費 500円
歴史学入門講座〈京都〉実行委員会主催 共催:日本史研究会
歴史学入門講座とは・・・?
今年で40回目を迎える歴史学入門講座〈京都〉は、京都を中心とする関西の各大学から集まった学生が主体的に実行委員会を組織し、歴史学を研究する意味や姿勢について考え、大学や専攻を超えた交流を図るために行っているものです。お気軽にご来聴ください。
お問い合わせ 日本史研究会 075(256)9211