近世史部会では、通常第二・第四水曜日に機関紙会館三階会議室において部会を行っています。通常六時半から開催し、一時間程度の報告の後、一時間半ほどの討論を行うという形で進められています(終了後、有志で報告者慰労会)。
参加者は京阪神各地からの大学院生が中心です。報告内容は近世史全般にわたりますが、他部会との合同部会や、隣接分野の報告なども行い、日本近世史 にとどまらない幅広い学問的交流も進めたいと考えております。これらの報告、企画には部会員にとどまらず、どなたでも参加できます。部会活動をより充実さ せるために、幅広い分野からの積極的な参加を期待しております。部会での報告は随時、研究委員の方までご連絡下さい。
ご案内
部会員には、部会活動の案内をメールにてお送りします(ハガキ会員は郵送)。部会員になっていただくには、年額400円(ハガキ会員は800円)の部会費を、郵便振替口座(01000-9-48629 日本史研究会近世史部会)にお振り込み下さい。部会案内についてのお問い合わせ、報告などのお申し込み、その他ご意見などがございましたら、研究委員の方までご連絡下さい。
近世史部会活動方針
1. 現代社会における歴史研究の意義を考えると同時に、研究史をふまえながら近世史研究における課題を明らかにし、新たな視角からの問題提起や近世史像の構築 を目指す。そのために、定期的に部会を開催して報告・討論を行うとともに、書評会・学習会・現地見学会など多様な活動に取り組んでいく。
2. 他の時代についての研究や隣接諸科学、海外諸国での日本史研究などの成果と方法を学び、近世史研究の学問領域としての拡大と充実化を進める。そのために、他部会や他学会との合同部会を積極的に企画することなどを通じて、相互交流の促進を図る。
3. 部会での研究報告において、参加者の多様な問題関心を大切にしながら討論を充実させる。また、若手研究者だけでなく中堅層以上の世代や、幅広い専攻分野からの参加・報告が得られるよう努める。
4. 史料や歴史文化財の保存、また歴史教育などをめぐる諸問題について、現状の理解を深め、その対応に積極的に取り組む。
5. 部会の研究報告や活動が会誌に反映されるよう努力する。
6. 運営委員会はメーリングリストなどを活用し、緊密な連絡体制をとって部会の運営を円滑に進めるとともに、右記の目標を達成すべく魅力ある企画立案を行い、実行に向け努力する。
◯1月中近世合同部会
日時:1月15日(水)18:30~21:00
場所:機関紙会館3階会議室
報告:桐山 浩一 氏「豊臣政権と島津氏の財政機構」(仮)
〈参考文献〉
山本博文「豊臣政権下の島津領国」(同著『幕藩制の成立と近世の国制』、校倉書房、1990年、初出1984年)
北島万次「朝鮮侵略と大名領国の論理-島津氏の場合-」(同著『豊臣政権の対外認識と朝鮮侵略』、校倉書房、1990年)
〇12月部会
日時:12月16日(月)18:30~
場所:機関紙会館3階
報告:吉野 健一 氏「丹後伊根浦の客船帳と日本海交易」
《参考文献》
- ・東 幸代「沖漁をめぐる近世中期の漁村の動向と領主の対応-丹後宮津藩伊根浦の「追掛」を通して」(『日本史研究』432、1998)
- ・真下 八雄「丹後の回船業」(中嶋利雄・原田久美子編『丹後に生きる京都の人びと』三省堂、1987)
7月部会
日時:7月22日(月)18時30分から
場所:機関紙会館3階会議室
報告:股座真実子氏「幕藩体制における将軍家医師集団の編制」
〈参考文献〉
- 岩下哲典「尾張藩「御医師」の基礎的研究(上・中・下)」(『徳川林政史研究所研究紀要』34~36号、2000~2002年)
- 海原 亮『近世医療の社会史』(吉川弘文館、2007年)
大会共同研究報告第2回準備報告会
日時:7月6日(土)13:00~
場所:機関紙会館3階会議室
報告:石田 俊氏「近世朝廷における「奥」の構造と展開」(仮)
村 和明氏「近世の朝廷機構と東福門院」(仮)
〈参考文献〉
- 石田 俊「近世中期の朝廷運営と外戚」(『近世の天皇・朝廷研究大会成果報告集』3、2010)
- 石田 俊「霊元天皇の奥と東福門院」(『史林』94(3)、2011)
- 村 和明『近世の朝廷制度と朝幕関係』東京大学出版会、2013、特に第1部
- 久保貴子『徳川和子 (人物叢書)』吉川弘文館、2008
卒業論文報告会
日時:6月24日(月)18時30分から
場所:機関紙会館3階会議室
・沼田耕並氏「近世大名松前氏の成立と「日の本」」
〈参考文献〉
海保嶺夫「松前藩家臣団の成立―道南における中世的世界の解体過程―」(藤野保編『論集幕藩体制史第1期〈支配体制と外交・貿易〉第6巻藩体制の形成1』、雄山閣出版、1993)。初出1976
長谷川成一「奥羽日の本仕置の中の北奥と蝦夷島」(『近世国家と東北大名』、吉川弘文館、1998)
大石直正「帆を下げる」(『中世北方の政治と社会』、校倉書房、2010)
・大矢耕平氏「天保期長州藩の財政再建策」
〈参考文献〉
田中誠二「萩藩天保期の借銀をめぐって」『山口大学文學会誌』54、2004
伊藤昭弘「藩財政再考―萩藩を事例に―」『ヒストリア』203、2007
〇5月部会
日時:5月13日(月)18:30〜
場所:機関紙会館3階会議室
報告者:金 羅榮氏
「藩主死去における弔いの様相―佐賀藩を事例として」
〈参考文献〉
兼平賢治「徳川家綱政権の殉死禁止令と東北諸藩」(細井 計編、『東北史を読み直す』吉川弘文館、2006)
山本博文『殉死の構造』講談社、2008年、初版、弘文堂、1994、特に第六章