Skip to content

公開要望書 国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲拡大による知識情報基盤の充実を求めます

公開要望書 国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲拡大による知識情報基盤の充実を求めます published on

文部科学大臣      萩生田 光一 殿

文化庁長官       宮田 亮平 殿

国立国会図書館長    吉永 元信 殿

国立研究開発法人
科学技術振興機構理事長 濱口 道成 殿

大学共同利用機関法人
情報・システム研究機構
国立情報学研究所所長  喜連川 優 殿

 

 現在、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、国立国会図書館をはじめ、全国の大学図書館や地方自治体の図書館など、教育・研究に不可欠な日本各地の図書館が休館に追い込まれました。今後、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束に向かうとしても、なお長期にわたって図書館が本来の機能を果たすことが難しくなることが予想されます。

 図書館の休館延長・一部機能の停止、あるいは利用者の来館が困難な状況が続けば、本来図書館がもつ教育・研究に果たすべき公共的役割が著しく制約されることになります。この図書館機能に対する制約が続くと、日本の教育・研究に多大な影響を与えることになります。とくに、卒業研究に取り組む学部学生、迅速な研究成果が求められている大学院生・ポスドクなどの若手研究者にとっては由々しき事態であり、中長期的にみたときにも、個々人のそのキャリア形成のみならず、学知を支える存在の欠落を招き、将来の社会全体に与えるダメージは計り知れません。

 したがって、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぎながら、教育・研究に必要な図書館所蔵資料へのアクセスを可能とする対応が求められています。そのため、以下のように国立国会図書館デジタルコレクションの公開範囲の拡大を要望します。

 

1.国立国会図書館デジタルコレクションのうち、図書館送信対象資料と国立国会図書館内限定公開資料のアクセス制限を可能な限り撤廃するよう、法改正を含めた施策を早急に検討すること。なお、あわせて公共貸与権を導入するなどにより、出版社と著者の権利を適切に保障すること。

2.国立国会図書館デジタルコレクションのうち、著者の没年が不明、ないしは著作権上の権利者が不明のいわゆる「孤児著作物」について、速やかにインターネット公開をすすめること。

3.各図書館の利用者が、電子メール等を利用して図書館資料の複製物の提供を全面的にうけられるよう、権利者団体及び図書館関係者間の協議に留意しつつも、積極的かつ早急に議論を進めること。

 

 これらは、新型コロナウイルス感染症拡大に対する緊急措置としての要望であるものの、将来にわたって日本の知識情報基盤を拡充するために、必要不可欠な施策と考えます。

 もちろん制度変更を伴わずとも、学会・協会、出版社、さらには研究者個々人といった著作権者側でできることは多数あります。たとえば、公益社団法人日本図書館協会は「新型コロナウイルス感染症に係る図書館活動についての協力依頼」(2020年4月24日)を発し、著作権をもつ関係団体に公衆送信への協力を要請しています。

 このような取り組みに協力すること、さらに緊急時でなくても常に研究成果を積極的に発信するよう取り組むことは、学術研究に携わるすべての関係者に求められています。歴史学関係の学会・協会も、上記の要望に加えて研究成果のオープンアクセス化をすすめることで、学生・大学院生、さらには不安定な立場にある研究者を含むすべての研究者が研究活動を継続できるような環境整備に協力していきます。

 しかしながら、一方で、学会・協会が独自に学会誌のデジタル化をすすめるのは費用がかさみ、対応できないという現実があります。つとにJ-STAGEにより、有識者会議で選定した705誌のデジタルアーカイブズ化が行なわれたのですが、ここから漏れたり、あるいは諸般の事情でデジタル化に応じることができなかったりした学会・協会も多くあります。

 この機会に再度、範囲を拡大して過去の国内学術雑誌のデジタルアーカイブズ化を推進していただきたくお願い申し上げます。J-STAGE、国立国会図書館、CiNiiとの連携サービスにより、国内学術雑誌のほとんどすべてを利用者が電子媒体により閲覧できる体制をつくっていただきたいと深く念願するものです。

2020年5月23日

日本歴史学協会
秋田近代史研究会
岩手史学会
九州西洋史学会
京都民科歴史部会
交通史学会
国史学会
駿台史学会
総合女性史学会
地方史研究協議会
朝鮮史研究会
東海大学史学会
東京歴史科学研究会
東北史学会
名古屋歴史科学研究会
奈良歴史研究会
日本史研究会
日本風俗史学会
白山史学会
立教大学史学会
歴史科学協議会
歴史学研究会
歴史学会
歴史教育者協議会
(賛同学会、2020年6月15日更新)

公開要望書

会員のみなさんへ

会員のみなさんへ published on

 新型コロナウィルスの影響が拡大するなかで、社会生活のさまざまな面での自粛や影響が広がっています。  日本史研究会でも、2月29日の「歴史から現在(いま)を考える集い」を当面延期としたことにはじまり、3月・4月の部会・例会を、参加者数の縮小や消毒・換気などに配慮することで何とか開けないかと試行錯誤してきましたが、3月末以降はほぼすべての研究会開催を延期・中止にせざるを得ないと判断しました。個別にそうした連絡が相次いだことで、みなさんには御心配をおかけすることになったかと思います。  3月の総合委員会は開催せず、代表委員と3委員長の4役だけで集まり、各委員とはメール会議という形をとりましたが、4月の総合委員会はオンライン会議でおこないました。また、研究・編集・総務の各委員会および本会事務所も、様々な工夫をこらして会務を継続できるよう体制を整えました。  特に会誌『日本史研究』については、毎月発行と会員への配布を滞らせることのないよう、編集委員会はこれまで通りのペースで論文審査や編集実務を維持できるよう最大限の努力をしています。  また、今秋の大会についても、大会準備のための部会開催や運営委員会の学習会などに影響が出ていますが、予定通りの大会開催にむけて準備を進めていきます。しかし、今後の事態の進み方によっては、より厳しい対応が必要になるかもしれません。  大会・部会の持ち方や会運営には、いろいろな知恵や工夫が求められます。会員のみなさんの御意見、御理解と御協力をお願いいたします。

2020年4月18日 日本史研究会 総合委員会

新型コロナ対応下の非常勤講師問題への意見・要望募集のお知らせ

新型コロナ対応下の非常勤講師問題への意見・要望募集のお知らせ published on

現在、大学・高校をはじめとした教育現場では新型コロナ感染症の対応に追われています。このたび日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会は、歴史教育を担う非常勤講師・兼任講師の方々が現下の状況で抱える問題についての意見・要望を集め、関係部署に適切な対応を求める呼びかけを行う取り組みを始めました。以下のメールアドレスへ、ご意見・ご要望をお寄せください。

nichirekikyowakate@gmail.com
※匿名で構いません。フリーメールアドレスからの投稿も受け付けます。

メール件名に、「新型コロナ対応下の非常勤講師問題(大学)」、「新型コロナ対応下の非常勤講師問題(高校)」などと付けるか、あるいは本文で対象が分かるように記入していただけると助かります。
現下、歴史教育の担い手である非常勤講師・兼任講師に対する十分な配慮がなされていない恐れがあります。また、待遇の悪化により、生活面で不安を抱える事態が生じることが懸念されます。
日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会では、募集した意見・要望を、個人名・教育機関名が特定されないように整理し、そのうえで適切な対策をとることを各教育機関および常勤教員に呼びかけます。
意見・要望の集約および呼びかけは、できるかぎり早く以下の本会ホームページ上で公開します。

http://www.nichirekikyo.com/young_researchers/young_researchers.html

この取り組みが歴史学だけではなく、すべての分野に関わる教育関係者の一助になることを願っています。
何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

日本歴史学協会
若手研究者問題特別委員会
nichirekikyowakate@gmail.com

「あいちトリエンナーレ2019」への補助金「不交付」決定に対する要望書

「あいちトリエンナーレ2019」への補助金「不交付」決定に対する要望書 published on

 2019年8月1日に開幕した「あいちトリエンナーレ2019」のなかの企画展の一つ、「表現の不自由展・その後」の展示が開幕からわずか3日で一時中止に追いこまれた。これは、展示作品の一つである「平和の少女像」などに対して、河村たかし名古屋市長が「日本人の、国民の心を踏みにじるもの」だから撤去すべきだと発言して、大村秀章愛知県知事に中止を申し入れたことに端を発する。その後、松井一郎大阪市長の「慰安婦の問題というのは完全なデマ」「デマの象徴の慰安婦像を行政が主催する展示会で展示するべきものではない」といった発言や、「あいちトリエンナーレ2019」に対する文化庁の補助金交付決定について「事実関係を確認、精査した上で適切に対応したい」との菅義偉内閣官房長官の発言が続いた。これに同調したメール・電話・FAX等による抗議の殺到と脅迫とにより、展示は一時中止になったのである。その後、9月26日になって、文化庁は、「文化芸術創造拠点形成事業」の一環である「2019年度『日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業文化資源活用推進事業』」として採択されていた「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金7829万円の「不交付」を決定した。

 「表現の不自由展・その後」を一時中止に追いこむ契機となった河村名古屋市長の発言は、日本国憲法第21条第1項に規定された表現の自由を侵害する行為に他ならない。一方、「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付の理由として、文化庁は本件について愛知県に「不適当」行為があったことを挙げた。つまり、「補助金申請者である愛知県は、展覧会の開催に当たり、来場者を含め展示会場の安全や、事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、それらの事実を申告することなく採択の決定通知を受領した」のだという。しかし、これは明らかに事後的にこじつけたものでしかなく、結果的に文化庁は、表現の自由の侵害行為に荷担することになってしまったのである。

 本来、行政機関は、今回の「表現の不自由展・その後」に加えられた攻撃に対し、展覧会施設や関係者の安全保護を徹底し、一方で、憲法上の権利である表現の自由を尊重する姿勢を毅然と示すべきであった。もし、今回の補助金「不交付」決定のような、すでに決定された補助金の支給決定の取消を許すようなことがあれば、それが前例となって、今後も、行政機関や公的助成機関が、脅迫や抗議を理由に、学術・教育等の活動に対する補助金支給決定をいくらでも取り消し得ることになる。このことは、近年、特に社会科学分野において、科学研究費補助金の交付を受けた研究の内容について、政治家等が「国の補助金にふさわしくない」などと干渉・介入する動きが出ていることとも軌を一にしている。その時々の政権担当者の意に添わない事業や研究への支援・助成に圧力をかけようとするものに他ならない。今回の「あいちトリエンナーレ2019」に関連して起った一連の出来事は、日本国憲法第23条の学問・研究の自由を擁護する立場からも、看過できない深刻な問題を含んでいるのである。

 さらに問題となるのは、「公共的な事業」「公共の場」では表現の自由は制限されても仕方がないという趣旨の発言を、河村名古屋市長が行っていることである。これに対して大村愛知県知事が的確に反論しているように、むしろ公共の場においてこそ表現の自由は保障されるべきである。このように公共性が誤用して理解されている状況において、文部科学省・文化庁はその誤りをただし国民を啓発する役割を担うべきであろう。

 我が国の歴史学系学協会の連合組織である日本歴史学協会は、表現の自由、学問・研究の自由がないがしろにされ侵害されている現状を深く憂い、賛同する学協会と共同で本声明を出すことにした。まずは、「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金不交付決定を取り消すように、文部科学大臣および文化庁長官に強く要望するものである。

2020年1月25日

日本歴史学協会   
岩手史学会     
京都民科歴史部会  
交通史学会     
ジェンダー史学会  
総合女性史学会   
千葉歴史学会    
朝鮮史研究会幹事会 
東京歴史科学研究会 
奈良歴史研究会   
日本史研究会    
別府大学史学研究会 
歴史学研究会    
歴史科学協議会   
歴史教育者協議会  

「あいちトリエンナーレ 2019」への補助金「不交付」決定に対する要望書(PDF)