2015年5月例会
「いま、デモクラシーを考える―松尾尊兊氏の研究の批判的継承のために―」
日時:2015年5月17日(日) 13:00~17:00
場所:機関紙会館5階大会議室
京都市上京区新町通り丸太町上ル東側
(地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩5分 市バス府庁前下車すぐ)
報告者と報告タイトル
有馬学氏(福岡市立博物館)
「デモクラシー・社会主義・ナショナリズム―蠟山政道の1920~30年代―」
竹永三男氏(島根大学)
「21世紀の松尾史学―松尾尊兊氏の大正デモクラシー史論と現代の民主主義―」(仮)
1970年代から90年代にかけて、松尾尊兊氏や三谷太一郎氏らを中心に「大正デモクラシー」をキー概念とした日本近現代史研究が進展した。2000年代以降、それらを中心に据えた研究は減少傾向にあるものの、デモクラシーや「大正デモクラシー」に関する議論が充分に尽くされた訳ではないだろう。とりわけ日露戦後や昭和戦前期におけるデモクラシーのありよう、もしくはデモクラシーとナショナリズムなどの関連する思想との関係を議論することは歴史研究のみならず、現代的な諸問題に寄与するところも大きい。民主主義をめぐる様々な主張や議論が存在する今、デモクラシーを歴史的に再検討することが求められているのはないだろうか。
そこで本例会では「大正デモクラシー論」の成果を整理したうえで、近代のデモクラシーに関する多様な言説の存在を理解し、それらが「帝国」や「地域」とどのように関係していたのかということを考えるための新たな視座を提供したい。