「続 地を治める・人を治める―近世・近現代地域史の展望―」
日時 12月7日(日) 12:00〜18:00
形態:完全対面で実施します(オンライン配信はありません)。
※一般来聴歓迎。予約不要。入場無料
場所:京都女子大学 J校舎320教室
京都市東山区上馬町544
報告
小倉宗氏(関西大学)
「近世畿内近国支配論の課題と今後への展望―村田路人氏の研究を手がかりに―」
山﨑善弘氏(東京未来大学)
「近世畿内・近国地域の特質と展望―創立80周年記念学術集会・村田路人講演を踏まえて―」
坂口正彦氏(大阪商業大学)
「「生存」の歴史学について考える―大門正克講演批判報告―」
能川泰治氏(金沢大学)
「「生存の歴史学」はどこまで更新されたか―大門正克による80周年記念学術講演に寄せて―」
村田路人氏・大門正克氏からのリプライ・質疑応答
【趣旨】
二〇二五年度日本史研究会大会初日の本会創立八〇周年記念学術集会第二会場は、「近世・近現代地域史の再構成―権力論・社会論から問う画期―」をテーマに掲げ、村田路人氏「近世畿内近国広域支配の再検討―《支配の実現メカニズム》から考える―」、大門正克氏「高度経済成長期の自然環境・福祉と「生存」の歴史学の更新―東京小平一三〇年の「改良」「開発」「福祉」史を対象に―」の二講演をもって構成した。本例会では、講演者の次世代にあたる計四名の近世史・近現代史研究者を招き、討論を含めた当日の成果と課題をあらためて検討する。
村田講演の成果と課題については、支配機構論の観点から小倉宗氏が、地域社会論の観点から山﨑善弘氏が総括する。大門講演の成果と課題については、村落史研究の観点から坂口正彦氏が、都市史研究の観点から能川泰治氏が総括する。本例会では村田・大門氏と四名の報告者を中心にして、大会当日の講演・質疑応答を発展させ、近世・近代の連続面・断絶面について、また各時代の特質について、近世史・近代史双方の立場から議論したい。
以上の問題関心から、共通討論では「近世・近現代地域史の再構成」というテーマに即して、「一、資本主義社会での生存」、「二、近世史研究と「生存の歴史学」」「三、「構造」と「主体」「運動」」、「四、「近代化の芽」という問い」、「五、地域について」という五つの論点を議論する。「一、資本主義社会での生存」については、坂口・能川報告を基に議論し、大門講演を異なる視角からさらに深める。「二、近世史研究と「生存の歴史学」」では、小倉・山崎報告を基に、近世史研究が「生存の歴史学」をどう受け止めるべきか議論する。「三、「構造」と「主体」「運動」」、では、大門氏に影響を与えたと考えられる中村政則・深谷克己氏の研究視角・成果について、近世史・近代史双方の立場から議論する。
「四、「近代化の芽」という問い」では、村田講演の中から「近代化の芽」という論点を抽出して、近世の中から生まれてくる「近代」について議論する。その際、村田氏に影響を与えたと考えられる脇田修氏やその門下にあたる研究者たちの研究視角・成果についても視野を広げたい。「五、地域について」では、村田講演や当日の質疑応答を踏まえて、日本近代が近世の到達点・達成点を踏まえて、何を否定して、何を引き継いだのか、地域に視点を置きつつ議論する。
以上のように、本例会では四名の報告者が加わることで、大会当日の村田・大門氏の講演を基点にしつつ、近世史・近代史が積極的に対話する機会とする。また中村・深谷・脇田氏だけでなく、戦後歴史学を牽引した研究者たちの視角・成果まで視野を広げて議論し、若手研究者とともにその継承を図りたい。大会の成果を踏まえながら、本会創立八〇周年を記念するにふさわしい例会となるよう、フロアからも積極的な発言を期待したい。
(文責:前総務委員長・藤本仁文)