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橋本陣屋跡の保存に関する要望書

橋本陣屋跡の保存に関する要望書 published on

2025年6月13日

文化庁長官 都倉俊一 殿
京都府知事 西脇隆俊 殿
京都府教育委員会教育長 前川明範 殿
八幡市長 川田翔子 殿
八幡市教育委員会教育長 川中尚 殿

日本史研究会

橋本陣屋跡の保存に関する要望書

 橋本陣屋(現京都府八幡市橋本焼野)は、日本近世・近代の移行期に行われた京都警衛の様相や、幕府と藩、幕府と朝廷との関係性を豊かに示してくれる存在である。幕末には外国船の来航によって対外的危機意識が強くなり、朝廷の所在する京都を警衛する必要性が高まった。その一環として八幡・山崎の警衛を松江藩が担うこととなり、大勢の松江藩士が駐屯するための陣屋として万延元年(1860)頃に完成したのが橋本陣屋である。警衛担当が松江藩から交替した後や、慶応元年(1865)に楠葉台場(現大阪府枚方市)が竣工して八幡等と併せた警衛体制となって以降も、その警衛を担う藩の陣屋とされた。最終的には、慶応4年(1868)の鳥羽伏見の戦いで幕府側の軍事拠点となり、戦火により焼失した。以上のように橋本陣屋は、幕末維新期の政治情勢に深く関わった施設であり、その遺構は日本の歴史を語る史跡として高い重要性をもつ。国史跡である楠葉台場跡との一体性に鑑みても、史跡としての価値は明白である。さらに、去る5月24日に行われた発掘調査結果の現地説明会には地域住民を含む多数の参加者が見られ、社会的な関心も高い。Continue reading 橋本陣屋跡の保存に関する要望書

日本学術会議法案に関する緊急声明

日本学術会議法案に関する緊急声明 published on
 日本史研究会は、4月21日に日本歴史学協会が発出した「日本学術会議第194回総会決定を支持し、「日本学術会議法案」の廃案を求める声明」に賛同し、国会において、広く研究者や市民の声に耳を傾け、同法案を廃案とするよう求めます。
2025年5月7日      日本史研究会
日本学術会議第194回総会決定を支持し、「日本学術会議法案」の廃案を求める声明
 今国会に提出されている「日本学術会議法案」に関し、日本学術会議(以下、学術会議)は4月15日開催の総会において、法案はナショナル・アカデミーの5要件を満たしていない等と指摘して国会に対し同法案の修正を求める「決議」、およびやはり国会に修正の可能性を含む十分に慎重な審議を求めると共に、法案の手続き・内容両面における問題点を明らかにした「声明」を採択した。
 わたしたちは学術会議総会によるこの意思表明を支持する。
 今後の日本社会における学術と国家権力との関係、学問の自由のゆくえを決する歴史的岐路にあたり、学術会議がこのような意思表明を行なったことに敬意を表すると共に、学術会議の独立性・自律性を侵害してその性格を決定的に変質させ、事実上解体しようとする「日本学術会議法案」の廃案を求めるものである。
2025年4月21日     日本歴史学協会
考古学研究会
名古屋歴史科学研究会
奈良歴史研究会
歴史科学協議会
歴史学研究会
(賛同団体、2025年5月3日現在)

水無瀬離宮(水無瀬殿)関連地域の発掘調査に関する要望書

水無瀬離宮(水無瀬殿)関連地域の発掘調査に関する要望書 published on

 現在高層マンションの建設計画が進められている旧関西電力社宅地は、水無瀬離宮(水無瀬殿)の新御所跡に推定されている。水無瀬離宮はかつて後鳥羽上皇により造営された政治と文化の拠点である。後鳥羽上皇が近臣と共に起こした承久の乱(承久3年(1221))は、朝廷方の敗北に終わり、武士の世の到来を決定付けた日本史上の転換点として知られる。一方で、後鳥羽上皇の文化人としての側面は高く評価され、『新古今和歌集』の撰集などは後世にまで大きな影響を与えたとされる。Continue reading 水無瀬離宮(水無瀬殿)関連地域の発掘調査に関する要望書

円宗寺跡の全面発掘に関する要望書

円宗寺跡の全面発掘に関する要望書 published on

 現在進行中の「上質宿泊施設計画((仮称)御室花伝抄計画)」(以下、本ホテル計画)予定地である京都市右京区御室芝橋町は、円宗寺跡に推定されている。円宗寺は、後三条天皇の発願により延久2年(1070)に建立され、平安中期に仁和寺周辺に建立された「円」の字を冠する四つの御願寺(円融寺・円教寺・円乗寺・円宗寺、総称して四円寺)の一つである。Continue reading 円宗寺跡の全面発掘に関する要望書

日本学術会議声明「「説明」ではなく「対話」を、「拙速な法改正」ではなく「開かれた協議の場」を」(二〇二三年四月一八日)を支持し、日本学術会議法の拙速な改正に反対する声明

日本学術会議声明「「説明」ではなく「対話」を、「拙速な法改正」ではなく「開かれた協議の場」を」(二〇二三年四月一八日)を支持し、日本学術会議法の拙速な改正に反対する声明 published on

 内閣府は、去る二〇二三年四月一七日に開催された日本学術会議第一八七回総会の席上において、日本学術会議の会員選考に際して選考諮問委員会なるものを設置することなど、日本学術会議の政府からの独立性を侵害する内容を含む日本学術会議法の改正案を提示した。こうした政府当局による学術の独立性への介入は、かつて超国家主義や軍国主義によって学問・研究の自由やその学問としての存立を脅かされた痛恨の過去を有する歴史学の研究者として、とうてい容認できるものではない。Continue reading 日本学術会議声明「「説明」ではなく「対話」を、「拙速な法改正」ではなく「開かれた協議の場」を」(二〇二三年四月一八日)を支持し、日本学術会議法の拙速な改正に反対する声明

世田谷区史編さんにおける「著作者人格権の不行使」問題についての声明

世田谷区史編さんにおける「著作者人格権の不行使」問題についての声明 published on

 世田谷区は二〇一六年から世田谷区史編さん事業を開始し、原始・古代から近現代にわたる史料の収集・調査にあたってきました。ところが、二〇二二年、執筆の段階になって突如、委員(歴史学者)に対し「著作者人格権の不行使」を求め、承諾しなければ編さん委員としての委嘱を打ち切ると通告してきました。私たち出版産業で働くフリーランスの組合であるユニオン出版ネットワークは、この「著作者人格権の不行使」要求に強く抗議します。Continue reading 世田谷区史編さんにおける「著作者人格権の不行使」問題についての声明

内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(二〇二二年十二月六日)の撤回(再考)を求める声明

内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(二〇二二年十二月六日)の撤回(再考)を求める声明 published on

 内閣府は、去る二〇二二年十二月六日、「日本学術会議の在り方についての方針」(以下、方針)を公表し、あわせて二〇二三年一月二十三日に召集される通常国会において日本学術会議の「改革」に関連する法案を提出する意向を示した。これに対し、私たち日本歴史学協会は、この方針に再考を求める日本学術会議の意向を強く支持し、内閣府に対してこの方針の見直しと日本学術会議の「改革」に関連する法案を通常国会に提出することのないよう強く求める緊急声明を発した。Continue reading 内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(二〇二二年十二月六日)の撤回(再考)を求める声明

【声明】日本学術会議の「改革」に関連する法案の提出に反対する

【声明】日本学術会議の「改革」に関連する法案の提出に反対する published on

 内閣府は二〇二二年一二月六日に「日本学術会議の在り方についての方針」(以下、「方針」)を公表するとともに、この「方針」を基にして日本学術会議会員の選考過程に関与する第三者委員会の設置を含めた法改正の準備を進め、二〇二三年一月に召集される通常国会において関連する法案を提出するという意向を示した。これに対して日本学術会議は、内閣府「方針」が日本学術会議との十分な協議を経ずに出されたこと、その内容が学術会議の独立性を侵害する恐れが多分にあること、そして拙速な法改正を進めようとしていることに強い危惧を抱き、二〇二二年一二月二一日に「声明・内閣府『日本学術会議の在り方についての方針』(令和四年一二月六日)について再考を求めます」を発出した。そこでは「方針」で示された内容について六点にわたる懸念事項が詳細に述べられており、政府に「方針」の再考を強く求めている。これうけて、多くの諸学協会・科学者も日本学術会議の声明に対する賛同の姿勢を示し、日本史研究会も緊急声明「日本学術会議の在り方についての政府方針の再考を求める」(二〇二二年一二月三一日)を出したところである。Continue reading 【声明】日本学術会議の「改革」に関連する法案の提出に反対する

要望書 国立国会図書館デジタルコレクションの著作権処理の改善による知識情報基盤の拡充を求めます

要望書 国立国会図書館デジタルコレクションの著作権処理の改善による知識情報基盤の拡充を求めます published on

文部科学大臣 永岡桂子 殿

文化庁長官 都倉俊一 殿

国立国会図書館長 吉永元信 殿

国立研究開発法人科学技術振興機構理事長 橋本和仁 殿

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所所長 喜連川優 殿

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【緊急声明】日本学術会議の在り方についての政府方針の再考を求める

【緊急声明】日本学術会議の在り方についての政府方針の再考を求める published on

日本史研究会は、二〇二二年一二月二一日に日本学術会議総会において決定・発出された「声明・内閣府『日本学術会議の在り方についての方針』(令和四年一二月六日)について再考を求めます」に全面的に賛同します。

  二〇二二年一二月三一日      日本史研究会