日時:2011年 2月 11日 (金曜日) 13:30~16:30
講演: 君島東彦氏 「多面体として憲法9条を見る」 場所: キャンパスプラザ京都(4階3講義室) |
京都に拠点を置く日本史研究会のサイトです。
日時:2011年 2月 11日 (金曜日) 13:30~16:30
講演: 君島東彦氏 「多面体として憲法9条を見る」 場所: キャンパスプラザ京都(4階3講義室) |
長岡京は延暦三年(七八四)に平城京から遷都して以来、同一三年に平安京に移るまで、桓武天皇が都としたところである。かつては「幻の都」と言われたことがあるが、長きにわたる発掘調査によって都の中心である内裏や朝堂院・大極殿などが発掘され、その全貌が明らかにされつつある。その成果によると、長岡京は平城京から平安京への変化を解明するために重要であるばかりでなく、内裏が西宮(第一次内裏)から延暦八年(七八九)に東宮(第二次内裏)に移ること、朝堂院が八朝堂であること、平安宮翔鸞楼相当施設が発見されたことなど、長岡京固有の特色があることが判明している。
長岡京の特色である重要な遺構のうち、東宮(第二次内裏)は調査がかなり進展し、築地回廊の一部などが現地に保存されている。また、大極殿や朝堂院は多くの建物遺構が現地で保存され、昨年には阪急電鉄西向日駅西口のすぐ北に史跡長岡宮跡朝堂院跡案内所が開かれて、遺跡の公開・活用の模範とされるべき事例となっている。これらはひとえに国や府・市当局の積極的な文化財行政に基づくものであり、大いに敬意を表するところである。
長岡京の中心である内裏や大極殿・朝堂院はおおむねその実態が解明され、その位置づけがはかられているが、唯一なお不明な点が多いのが西宮(第一次内裏)である。西宮は朝堂院・大極殿の北側にあるとされてきたが、その位置からはまだそれに該当する遺構は発見されておらず、近年ではむしろ大極殿・朝堂院の西側に比定する見解が有力となりつつある。西宮が大極殿の北か西かは単なる位置比定にとどまらず、内裏と大極殿との関係という日本古代史上の重要な問題につながり、避けて通ることができないものである。その解明のためには従来の発掘成果の見直しや文献的な検討が必要であるが、最大の鍵が遺構の発見であることは言を俟たない。
さて、昨年一〇月から向日市立向陽小学校において校舎建て替えに伴う発掘調査が行われ、一二月一八日付けの新聞各社の朝刊では、その成果について「長岡宮、幻の西宮遺構か」(京都新聞)などと大々的に報道された。新聞紙上の識者の談話では、今回の遺構を西宮とみる見解が多く、今後の調査と検証が期待されるところである。とりわけ、複廊とその外側と内側の雨落溝がセットで発見され、また発掘区域内の柱穴がすべて残っているなど、遺構の残り具合は良好である。複廊は北面回廊と西面回廊が認められ、重要な施設の北西隅にあたり、施設全体の復元の有力な根拠となるものである。柱穴の大きさ、雨落溝が石組みであるなど、すでに保存されている東宮(第二次内裏)を凌ぐ要素も看取される。掘立柱の複廊は平城宮内裏内郭や後期難波宮の内裏に用いられ、後期難波宮の内裏とは柱間の規模が一致する。内裏級の遺構であることは間違いない。市民などの関心も高く、報道の明くる日の現地説明会であるにもかかわらず、四〇〇名を越える参加があったと聞く。
小学校の耐震補強工事などの校舎改築は焦眉の課題であるが、生の遺構は再現することができない。回廊や雨落溝は旧校舎の東端にあたり、市立小学校の校地という公有地に立地する。その点からすれば、義務教育の教材として活用することが充分に考えられる。地域の文化遺産であることは言うまでもなく、広く東宮(第二次内裏)や朝堂院・大極殿の遺構と合わせることによって、長岡京ひいては日本古代史を考える重要な素材とすることができる。
そこで、以下の二点につき、関係諸機関に強く要望するものである。
一.遺跡を破壊することなく、現地保存の措置をとっていただきたい。
二.学校教材や歴史的な文化遺産として活用できる施設を設置していただきたい。
二〇一一年一月一二日
日本史研究会
文化庁長官 近藤 誠一 殿
京都府知事 山田 啓二 殿
京都府教育長 田原 博明 殿
向日市長 久嶋 務 殿
向日市教育長 奥野 義正 殿
先日、長岡宮大極殿の西側から、これまで詳細が不明であった第一次内裏(西宮)の所在を考える上で重要と思われる回廊遺構の北西隅が発見されました。乙訓の文化遺産を守る会・日本史研究会では、この保存を訴える要望書を提出しましたが、下記の要領で発掘調査の概要の報告とこの遺跡の意義を考えるための講演会を開催することになりました。多数の皆様のご来聴を歓迎致します。
日時:二月二〇日(日)午前一〇時~一二時
会場:向日市市民会館第一会議室(向日市寺戸中ノ段一七―一、〇七五―九三二―三一六六)
報告者:松崎俊郎氏(向日市埋蔵文化財センター)
「推定「西宮」遺跡発掘の現状報告」
中尾芳治氏(元帝塚山学院大学教授)
「難波宮と長岡宮の内裏遺構をめぐって」
主催 乙訓の文化遺産を守る会/共催 日本史研究会
※一般来聴歓迎 予約不要
※乙訓の文化遺産を守る会・日本史研究会会員は無料。その他の方は資料代三〇〇円をいただきます。
※お問い合わせは、乙訓の文化遺産を守る会事務局 坂下勝美(電話 〇七五―九三三―八七九〇)まで。
平安京・京都研究集会では、「検証 考古学が明らかにした古代・中世の京都像」の第2回目として、山田邦和著『京都都市史の研究』(吉川弘文館、2009年)をとりあげます。
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b35005.html
同書で山田氏は、平安京成立期から戦国時代にいたる多彩な都市構造をとりあげ、巨視的に、また遺構論から京都の特性を解明しておられます。とりわけ「巨大都市複合体(コンプレックス)」の提案は多くの注目をあつめているところです。
本集会では、考古学、文献史学の立場から本書を検証し、その成果と課題をうきぼりにしたいと考えています。単なる「書評」の枠を越え、山田氏が目指す学際的な京都都市研究の方法論について議論します。
日時:2010年11月7日(日) 13:30~17:00
会場:機関紙会館 5F大会議室
京都市上京区新町通丸太町上ル東側。日本史研究会事務所の建物
市バス「府庁前」バス停すぐ。
地下鉄「丸太町」駅下車、2番出口より西へ、2筋目を北へ。徒歩6分
http://homepage2.nifty.com/kikanshi-keiji/kaizyou.html
報告(評者);
山本雅和氏((財)京都市埋蔵文化財研究所、日本考古学)
「『京都都市史の研究』と京都の遺跡」
仁木 宏氏(大阪市立大学、日本中世史)
「京都都市史研究のなかの山田邦和氏 ―学際的研究のめざすもの―」
コメント;高橋昌明氏 (神戸大学(名誉教授)、日本中世史)
コーディネート;仁木 宏氏
主催 平安京・京都研究集会
電子メールにて今後の開催案内が必要な方は、事務局(山田、FZK06736(あっと)nifty.ne.jp)まで
その旨、 お聞かせください。
集会案内のHP http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/niki/kenkyu/staff.html
後援 日本史研究会
問合先 平安京・京都研究集会事務局(山田方)
◆平安京・京都研究会 今後の予定
・2011年4月24日(日) 書評;仁木 宏『京都の都市共同体と権力』
評者:久留島典子氏、河内将芳氏など
・2011年夏 「信長の京都」 -河内将芳『信長見た戦国京都』をめぐって-
・2011年秋 「上賀茂神社と社家町」 ―現地見学とシンポジウム―
テーマ 「日本統治下の朝鮮における教育」
日 時 八月四日(水)午後一時三〇分~三時三〇分
場 所 立命館大学志学館121号教室
講 演 本間千景氏(仏教大学、近代朝鮮史)
川嵜 陽氏(京都大学大学院、日本近代史)
参加自由
連絡先 平和のための京都の戦争展実行委員会
2010年度 歴史学入門講座
テーマ「戦乱の時代を見る眼」(仮)
日時:2010年7月10日(土) 13時30分~17時
場所:機関紙会館5階大会議室
講師:仁木 宏氏(大阪市立大学)
保谷 徹氏(東京大学史料編纂所)
参加費:500円
※論題など詳しくは追ってご案内申し上げます。
国文学研究資料館アーカイブズ研究系は、日本の記録史料が散逸の危機にあった状況において、歴史学界の強い要望・運動のなかで1951年に設置され た文部省史料館を前身とする。史料館は、1972年に国文学研究資料館の附置施設となり、2004年にアーカイブズ研究系となるが、今日まで、日本各地の 近世・近現代の民間史料を中心に、その調査・収集・整理・公開・研究などの面で、大きな役割を果たしてきた。直接収集にあたった史料は50万点以上にのぼ り、『史料館所蔵史料目録』(現『史料目録』)・『史料館叢書』(東京大学出版会)・『史料叢書』(名著出版)などを刊行し、史料の公開も進めてきた。
また、史料管理学やアーカイブズ学の面でも研究成果を発信し、「近世史料取扱講習会」、「史料管理学講習会」、「アーカイブズ・カレッジ」と、長年 にわたり、その普及・教育活動にあたってきた。そこでの受講生は、歴史学以外の分野の者もふくめ、3000名近くにのぼり、この分野で多大な貢献がみられ る。そして、これから必要となるアーカイブズ学の国際的な交流の面においても、また公文書管理法制定の動きに見られるように、ますます重要となる現代の公 文書の取り扱いの問題などの面においても、国文学研究資料館アーカイブズ研究系の果たす役割は、さらに大きくなることが考えられる。
しかしながら、国文学研究資料館では、「アーカイブズ・カレッジ」長期コースの廃止など、アーカイブズ研究系の縮小を進めているという。日本史研究 会は、国文学研究資料館が、これまでアーカイブズ研究系が果たしてきた役割を正しく認識・評価し、同研究系の機能を維持・充実させてしていくことを強く要 望する。具体的には、次の通りである。
1 国文学研究資料館アーカイブズ研究系が、これまで同様、日本各地の近世・近現代史料の収集・整理・研究・公開利用の役割を果たせるよう、十分な 人的配置・予算措置をとること
2 国文学研究資料館アーカイブズ研究系が、これまで同様、日本におけるアーカイブズ学の拠点として、研究・教育活動ができるよう、十分な人的配 置・予算措置をとること
2008年12月1日
人間文化研究機構
機構長 金田 章裕 殿
国文学研究資料館
館長 伊井 春樹 殿
日本史研究会
日本史研究会が関わっている出版物の一覧です。
『日本史講座』全10巻
(東京大学出版会、2004〜2005)
概要・執筆者など(東京大学出版会) http://www.utp.or.jp/shelf/series/nihonshi.html
(文理閣、2001)
『歴史教科書の可能性−「つくる会」史観を超えて−』(青木書店、2002)
概要・目次(「教科書を検証する歴史研究者シ ンポジウム」実行委員会)
『京都千二百年の素顔』(校倉書房、1995)
『「陵墓」からみた日本史』(青木書店、1995)
『天皇制を問う−歴史的検証と現代−』(人文書院 、1990)
『「即位の礼」と大嘗祭』(青木書店、1990)
『Xデー問題と現代天皇制』(青木書店、1988)
『山城国一揆−自治と平和を求めて−』(東京大学出版会、1986)
『講座日本歴史』(東京大学出版会、1984〜1985)
『中世日本の歴史像』(創元社、1978)
『講座日本史』(東京大学出版会、1970〜1971)
『中世の権力と民衆』(創元社、1970)
『70年代の歴史認識と歴史学の課題』(青木書店、1970)
『講座日本文化史』(三一書房、1961〜1963)
『歴史における芸術と社会』(みすず書房、1960)
『類聚三代格索引』(御茶の水書房、1959)
『中世社会の基本構造』(御茶の水書房、1958)
『日本の建国』(東京大学出版会、1957。青木文庫、1966)
『日本歴史講座』(東京大学出版会、1956〜1957)
『中世荘園の基礎構造』(史籍刊行会, 1956)
『日本史図説』(岩崎書店、1956。改訂版1966)
『新しい日本史』(日本科学社、1947)
「検証・考古学が明らかにした古代・中世の京都像(一)―書評・鋤柄俊夫著『中世京都の軌跡』―」 |
||
(主催)平安京・京都研究集会(後援〉日本史研究会 | ||
日時 | 2010年2月28日(日) 13時~17時 | |
場所 | 機関紙会館五階大会議室 出口より東へ徒歩5 分。または市バス府庁前下車すぐ。 京都市上京区新町通り丸太町上る東側地下鉄丸太町駅下車2番 |
|
報告 | 美川 圭 | (摂南大学、日本中世史) |
桃崎有一郎 | (立命館大学、日本中世史)」 | |
山本雅和 | (〈財〉京都市埋蔵文化財研究所、日本考古学) | |
討論司会 | 仁木 宏 (大阪市立大学、日本中世近世史) | |
討論参加 | 鋤柄俊夫 (同志社大学、日本考古学・文化史学) | |
参加自由、要資料代 |